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IRサイトランキング各評価の違いと自社株価表示導入企業の順位の変化を紹介

IRサイトランキング各評価の違いと自社株価表示導入企業の順位の変化を紹介

2021年も終わりに近づいたころ、その年のIRサイトにおけるランキングや表彰が行われました。

ランクインする、あるいは表彰されるということは、それだけそのサイトの発信性が高いということが第三者に評価され、実績になった、ということです。IRサイトの担当者であれば、やはりこの評価は気になるものではないでしょうか。

悩ましいのは「どうすれば評価が上がるのか」という点。評価機関によって審査のやり方・方針は異なりますので、共通する評価項目が何か知っておきたいところでしょう。

今回はそれぞれの評価機関がどのような調査を行っているかをまとめつつ、「自社株価表示」という観点で実際に順位が上がった企業がどれほどいたか、お伝えしていきます。

なお、以下の評価情報を調査しました。いずれも2021年最新の評価です。

 

Gomez – IRサイトランキング

日興アイ・アール – ホームページ充実度ランキング

大和インベスター・リレーションズ – 2021年インターネットIR表彰

IRサイトの各機関のランキング・調査・評価の違い

最初に、各評価機関の調査および評価の違いを確認しましょう。

大まかに以下の表にまとめました。

Gomez

IRサイトランキング

日興アイ・アール

ホームページ充実度ランキング

大和インベスター・リレーションズ

インターネットIR表彰

調査期間 2021年9月21日~
2021年11月30日
2021年6月~
2021年9月
2021年6月1日~
2021年10月31日
調査対象 3,745社 3,888社 3,944社
調査範囲 自社サイトで公開しているIR情報
(会社情報、CSR含む)
商用サイトを除くコーポレートサイト ホームページ
最終選考の
評価基準
241項目(以下四分類に大別)
・ウェブサイトの使いやすさ
・財務・決算情報の充実度
・企業・経営情報の充実度
・情報開示の積極性・先進性
162項目(以下の視点で設定)
・分かりやすさ
・使いやすさ
・情報の多さ
大和IRスコアボード
(サステナビリティや株式・株価情報など、12の大項目)

英語版IRサイト審査

最も大きな違いは評価基準です。評価項目の数や内容はもちろん、そもそも評価の視点から異なります。このことがそれぞれのランキング・表彰に違いを及ぼしているのでしょう。

上記の表ではかいつまんで記載していますので、より詳しくは後述します。

Gomez – IRサイトランキング

※本項目の内容はランキングの調査手法 – Gomezより引用・抜粋したものです。より詳しくは当該ページをご覧ください。

GomezのIRサイトランキングでは、コニカミノルタ伊藤忠商事りそなホールディングスSOMPOホールディングスベネッセホールディングスが総合上位5社に名を連ねています。

選考は二回に分かれ、初回では3,745社を対象に12項目のチェックリストで評価し、そのうちの一定基準を満たした377社を最終選考にて審査します。

この最終選考では241の調査項目が用いられ、それらは以下の4つのカテゴリから構成されています。

  • ウェブサイトの使いやすさ(配点:24%)
  • 財務・決算情報の充実度(配点:30%)
  • 企業・経営情報の充実度(配点:23%)
  • 情報開示の積極性・先進性(配点:23%)

Gomez IRサイトランキング – ランキングの調査手法より抜粋

日興アイ・アール – ホームページ充実度ランキング

※本項目の内容は2021年度全上場企業ホームページ充実度ランキング調査結果 – 日興アイ・アールより引用・抜粋したものです。より詳しくは当該ページをご覧ください。

日興アイ・アールのホームページ充実度ランキングでは、Gomezのように一社ごとの順位付けではなく、「最優秀」「優秀」「優良」という名称で表彰を行っています。

総合評価の最優秀サイトだけでも191社ありますが、例として三菱重工業オムロンオリエンタルランドが受賞しています。

「分かりやすさ」、「使いやすさ」、「情報の多さ」の 3 つの視点にもとづく評価項目を作成し、一次評価では50項目、二次評価では(一次評価項目を含む)162項目による審査が行われました。

なお、主観的内容(レイアウト・デザイン・文体など)は評価対象外です。

配点を始めとした詳細は掲載されていませんが、2021年度の調査では非財務情報に関する評価項目を追加した、とのことです。

ちなみに本調査結果ではIR情報の掲載状況の変化などの興味深い情報も公開されていますので、ご興味があればご覧ください。

以下はその一例で、IR情報の掲載状況の変化です。

2021年度全上場企業ホームページ充実度ランキング調査結果 – 日興アイ・アールより抜粋

大和インベスター・リレーションズ

※本項目の内容は「2021年インターネットIR表彰」を発表 – 大和インベスター・リレーションズより引用・抜粋したものです。より詳しくは当該ページをご覧ください。

大和インベスター・リレーションズのインターネットIR表彰も一社ごとのランキング形式は用いていません。最優秀賞に9社、優秀賞に14社、優良賞に103社が数えられています。

最優秀賞は、双日TISソフトバンクなどが受賞しました。

本表彰の審査は三回に分けられており、それぞれで内容が異なります。

一次審査(3,944社が対象)

インターネットIRにおいて基本となる項目を審査。

  1. 適時開示情報の掲載状況
  2. 決算短信の掲載状況
  3. 有価証券報告書の掲載状況
  4. 任意刊行物の掲載状況
  5. プレゼンテーション資料の掲載状況
  6. サステナビリティ方針
  7. コーポレート・ガバナンス
  8. 外国語サイトの設置
  9. お問い合わせ先の表示

「2021年インターネットIR表彰」を発表 – 大和インベスター・リレーションズより抜粋

二次審査(1,256社が対象)

定量的評価基準である大和IRスコアボード(日本語版)に基づいて詳細に審査。

大項目は以下の12個。

  1. トップページ:トップページがサイト内の情報へ投資家を適切にナビゲートできているか。
  2. コーポレートプロフィール:自社のビジネスモデル、強み、業界環境などを説明しているか。
  3. 経営方針・計画:IRに対する基本的な考え方、方針、体制等ならびに事業計画や経営戦略が説明されているか。
  4. サステナビリティ:法制度やトレンドを意識し、対話に必要なESG情報を提供できているか。
  5. 株式・株価情報:株式情報、株主還元情報など投資に必要な情報を提供できているか。
  6. 財務データ:主要な財務情報の掲載や財務データなどを投資家の立場に立った内容及び方法で提供しているか。
  7. IRライブラリー:IRに関連する資料が、十分な種類、量、アーカイブで提供されているか。
  8. プレゼンテーション:すべての投資家に公平な情報伝達を図るべく、IRイベントに関する情報を十分に掲載しているか。
  9. サイト使用時の留意事項:投資家が利用するにあたって、IRサイトとしての必要な注意がなされているか。
  10. コンタクト:投資家とのコミュニケーションを図るため、双方向性を意識したサイト運営がなされているか。
  11. ユーザビリティ:ユーザビリティの向上が図られているか。
  12. ICT利活用:IT技術及び新たなデバイスへの対応ができているか。

「2021年インターネットIR表彰」を発表 – 大和インベスター・リレーションズより抜粋

最終審査(273社が対象)

英語版IRサイトに対し、独自の英語版独自評価項目を加えて審査。

主なポイントは以下三点。

  1. 英文のクオリティ
  2. 日本語と英語の開示情報量の公平性
  3. 日本語と英語の開示タイミングの公平性

「2021年インターネットIR表彰」を発表 – 大和インベスター・リレーションズより抜粋

評価項目としての「自社株価表示」

自社株価表示サンプル

「自社のサイトに自社の株価を掲載しているか否か」はIRサイトランキングなどの評価項目として知られています。

例えば大和インベスター・リレーションズのインターネットIR表彰においては、「株式・株価情報:株式情報、株主還元情報など投資に必要な情報を提供できているか。」という評価項目が用意されておりますので、審査対象であることは明確と言えるでしょう。

それでは、実際に導入した企業の順位はどのように変化したのでしょうか。

自社株価表示を行った企業の順位の変化

前提として、自社株価表示だけがランキングに影響を及ぼすわけではありません。

以下に前年と比べて評価が上昇した企業をリストアップしますが、自社株価表示に限らない各社の努力がこの結果に結びついています。

さて、直近一年間で自社株価表示を導入した企業と、その評価の前年比較をお伝えします。

 

サイトランキング 企業名 前年 今年
大和IR 三菱マテリアル 圏外 優良賞
大和IR SGホールディングス 圏外 優良賞
Gomez 三菱マテリアル 118 94
Gomez J-オイルミルズ 圏外 173
Gomez シスメックス 218 190
Gomez シャープ 301 218
Gomez 石油資源開発 圏外 228
Gomez アイ・ケイ・ケイ 268 265
日興IR J-オイルミルズ 優秀 最優秀
日興IR 三洋貿易 優良 最優秀
日興IR 三菱マテリアル 優秀 最優秀
日興IR シスメックス 優秀 最優秀
日興IR ヤマトホールディングス 優良 最優秀
日興IR 日総工産 圏外 優秀
日興IR 大塚ホールディングス 圏外 優秀
日興IR SGホールディングス 圏外 優秀
日興IR アルフレッサホールディングス 圏外 優良
日興IR 学研ホールディングス 圏外 優良

 

圏外からの入賞が9件、順位の上昇も9件。

特に日総工産大塚ホールディングスSGホールディングス圏外から優秀賞を受賞しており、飛躍的な評価向上と言えますね。

先述の通り自社株価表示が全てではありませんが、少なからず評価に貢献しているように思います。

※実際の自社株価表示のページは、上記表の各社ページをご覧ください。

 

なお、自社株価表示サービスはIRコミュニティ運営のストックウェザー株式会社が提供しておりますので、少しでもご興味がございましたらお問い合わせください。

(自社株価表示の他、役立つIRツールも提供しています)

事業法人のお客様へ – ストックウェザー

まとめ

以上、IRサイトに関する各評価の違いと、自社株価表示を導入した企業の順位の変化をお伝えしました。

サイト担当者やIR担当者にとって、IRサイトのユーザビリティは重要な課題です。IRサイトランキングを始めとした第三者評価によって、努力が結果として見えるようになるでしょう。

そのはじめの一歩として、手軽に始められる自社株価表示を導入してみてはいかがでしょうか。

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